いまなら「シェアする」という方が、近いでしょうか。
「なんでも、ともだちと、はんぶんこだよ」
「ぜんぶ、ひとりで、とったらいけないよ」
これは、祖母が幼いわたしに、
くりかえし、言った言葉です。
いつも、笑顔を向けてくれた祖母ですが、
そう言うときの、真剣な眼差しを、
いまでも、はっきりと覚えています。
わたしは、思いを理解することまではできず、
だまって、うなずくことが、せいいっぱいでした。
ですから、子どもの頃は、手にしたおやつを人数で割り、
食べているときに、だれか来たら、
手にあるものを半分あげる、
ということを自然にしていました。
物が豊かな時代に生き、手渡した物に、
気持ちが入っていたのか、わかりません。
機械的に、そうしていただけなのだと思います。
言われたとおりに。
物が乏しい時代でさえ、思いも物もシェアして、
たくましく生き抜いてきた人たちがいる。
昔と今は、状況が違いますが、
人のこころの在り方は、変わらないと信じたいのです。
ずっとむかしのこと、公園に捨てられていた犬が、いつもそばにいました。転ぶと、どこからともなくやってきて、膝をなめてくれたり。わたしは、犬にかわいがられて育ちました。
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本日の一杯 ☕
どんなときも、思いも物も、分かち合う
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備蓄というほどのことはしていないのですが、
手元に置く量を、おおまかに決めています。
トイレットペーパーの新しい袋を開けたら、
ひとつ補充する、というように。
補充した直後、騒動が起き、
その後は、みなさま、ご存じのとおりです。
店頭には商品が戻りつつありますが、
まだ、充分でない店舗もあるようですね。
わたしが、いまできる協力は、
品薄のものを、できるだけ買わないこと。
応援したいお店のものを、できるだけ買うこと。
ドラッグストアから、紙類を持って出てこられる方の
お顔を見て、こころの中で問いかけます。
ホッとした表情の方、
よかったですね、安心したでしょう?
どこか誇らしげな方、
二回戦に向かう硬い表情の方、
手にした物に感謝していますか?
どうか、やみくもに備蓄せず、
「はんぶんこ」の精神を、もって下さいますように!