商店街の細い道に、大型トラックが停まっていました。
そこへヨチヨチ歩きの男の子が。
タイヤより背丈が小さくて、トコトコ、トラックの下へ。
そのタイミングで、トラックがゆっくり動き出したのです。
わたしはあわてて、男の子の着ている
パーカーのフードをつかみ引き寄せました。
とっさに、つかめたのはフードだけ。
そのトラックの先は踏切。
そう、遮断機のポールが上がって車が動き出したのです。
ホッとしたのも束の間、
ドラッグストアからお母さんが出てきて、
「あんた、うちの子になにすんのよ!」
その時は、感情が動きませんでした。
子どもがケガしなくてよかった、と思っただけ。
しばらくして、なぜ怒られたのかと、ふと思いました。
わるいことをしたのでしょうか。
それなら、もう、わたし、子どもを助けないわ!
ある日、危険な柵を登っている5歳くらいの男の子を見ました。
周囲では大人たちが「すごいね、そんなことできるんだ」と
手放しパフォーマンスに拍手喝采。
でも、落ちたら頭からアスファルトに真っ逆さま。
命を落とすことだってあるかもしれません。
わたしは「危ないからやめなさい!」といっていました。
大人たちからは「怖いわね、いいじゃないね」とブーイングの嵐。
数日後、信号待ちをしていたら背後に気配が。
あの男の子が、後ろから顔を出して「このあいだは、ごめんね」と
いったのです。
よいことではないと、ちゃんとわかっているのです。
でも、囃し立てられたら、途中でやめられなくなってしまう。
わたしが意地悪でいったのではないと、わかってくれて嬉しかった。
家族に呼ばれて、走って行く男の子の後ろ姿に、
覚えていてくれてありがとう、と
こころの中でいいました。
ああ、もう、わたし、子どもは助けないって、決めたのに!
なぜか、その後も、こういうことが続きました。
日々、色々なことが起きますよね。こころにトゲがささったら、ひとまずお茶にしませんか。
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本日の一杯 ☕
ゆるぎない思いにを大切に
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やろうかな、やめようかな、どうしようかな。
そう思わずに、とっさに行動してしまうことがあります。
そんな時は、他人になんといわれようと、こころは傷つかない。
後悔しない。
結果が正しいのかそうでないのか、わからないけれど、
自分の中にある、どっしり根付いた思いは、
台風がきても揺るがない。
だから、わたしは、たぶん、まただれかと、
不意にかかわってしまうことになりそうです。