真実を伝えないことは、
こころを傷つけることがあります。
でも、真実を伝えることが、
全てではないとも思うのです。
『ごんぎつね』という話の最後を
覚えているでしょうか。
兵十がきつねのごんを火縄銃で撃ってしまい、
命がつきたのではないかと、
想像することができます。
あなたが先生だったら、
「先生、ゴンは死なないよね!」
生徒が目に涙を浮かべてそう言ったとき、
どう答えますか?
わたしなら、
「うん、ゴンは死なないよ。
元気になって、
兵十と仲良くなるかもしれないね」
と答えるでしょう。
真実から目を背けている、
間違っている、
正しい教育ではないと、
指摘されるかもしれません。
それでも、こころに寄り添っていたい。
大人になれば、自然にわかること。
教育として間違っていると言われても、
こころにはよいと思うから。
不安や心配でカチカチになったこころを、ふんわりさせる魔法の言葉。それは、現実的ではないし、間違っているかもしれない。でもね、今、必要なことを伝えればよいのでは。笑って振り返ることができること、あると思います。
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本日の一杯 ☕
言い切る
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優しいウソのつき方、
それは、相手を安心させることを目的に、
「言い切る」ことがコツだと思います。
わたしは、子どものころ、
台風と大地震が一度にきたら怖いな、
と思っていたことがありました。
友人に言ったら、笑ってこう答えたのです。
「大丈夫!
台風と大地震は
絶対一緒にこないことになってるから!」
その、明るくはっきりとした、いいっぷりに、
わたしは一瞬で安心しました。
もちろん、なんの根拠もありません。
今となっては、
絶対とは言い切れないことも
わかります。
でも、今となっても、その時の安心感は
ずっとこころに残っています。
相手の不安や悲しみに
同調することは、
不安や悲しみを大きくすることも。
優しいウソがつけたら、
こころの向きを変えて
あげられるかもしれません。