なごみカフェ 

~豊かなこころで、シンプルな暮らし~

自分を信じて得たものと、信じられずに失ったもの

 

中学生のとき、

学期末に通知表を受け取って

とてつもないショックを受けました。

 

成績……も、ありますが、

別のことです。

 

通知表の最後のページには、

担任の先生のコメントがあります。

 

こんな風に書いてありました。

 

  他の生徒のことばかり気にかけて、

  自分のことがきちんとできていない。

  自分のことができないのに、

  他人の世話など本末転倒です。

  次学期は、集中して取り組んで下さい。

  素行の悪い生徒と付き合うのは問題です。

  進学に響きます。

 

たしかに、

勉強を教えていた友人より、

テストの点数は悪かったのです。

 

素行の悪い生徒って? 

ちょっと髪型や服装は違うけれど、

他の人と同じように話しているだけ。

 

それでも、

これを父に見せなければならない、

と思うと、

絶望しかありませんでした。

 

悲しませてしまうもの……。

 

とぼとぼ家に帰って、

うなだれて成績表を差し出しました。

 

父は、

 

 「ええっ!!」

 

と驚きました。

 

そうでしょうね。 

 

それなのに、

 

満面の笑顔でこう続けたのです。

 

 「自分のことより人のこと、なんて

  よくやったね。

  この素行の悪い生徒って…

  いい人なんだよね!

  なごみの友達なんだから。」 と。

 

そして、通知表の返信欄に、

 

  人を大切にして過ごした今学期は

  実り多いものでした。

  これからも、人をみかけで判断せず、

  皆と交流して欲しいです。

  

そんな風に書いてもらい、

涙がでるほど嬉しかった。

怒られると思っていたから。

 

こころが救われるって、

こんな感じなんだと思いました。

 

この、あたたかい気持ちが、

わたしが自分を信じて得たものです。

 

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目の前に門が現れたら開いてみよう。その先に何があるかわからないけれど、この道を進もう! と決めたら一歩踏み出そう。途中、嵐にあって避難したり、別の門を開くかもしれない。絶対にこの道をいくぞ! と闘志がわいてくるかもしれない。どんな未来でも、自分で決めたことなら大丈夫。くじけてうずくまっても、それは休息時間。また、未来に向かってゆけるよ。

 

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 本日の一杯 

 後悔しない方を選ぶ

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先生の言う、素行の悪い生徒とは、

おそらく、こんな感じの人を

指していたと思います。

 

指定通りに制服を着用していない、

髪型が凝っている、

チャイムが鳴っても席につかない、

そういう人達で集まっている。

 

たしかに、目立ちます。

 

でも、その人達の何人かと、

席が近くなったことがありました。

 

A君は、数学のセンスがあると思い、

次のテストまで、

一緒に勉強しようと声をかけました。

 

そうしたら、かなりスコアがよかったのです。

もちろん、わたしは抜かれました。

 

B君は、頭の回転が速いと思いました。

理科のミニテスト、

時間が半分過ぎると

つっぷして寝ているのです。

 

わたしは、いつも時間ギリギリまで、

見直しをしているというのに。

 

答案が返却されたとき、

間違えたところがあるからみせて、

と言ったら、

捨てといて、と答案を渡されました。

 

満点です! 

 

Cさんは、派手な見かけをしているのに、

話し方に品があるのです。

卒業後にばったり会ったら、

素敵なレディになっていて、見とれました。

 

皆、わたしがそうしたように、

普通に接してくれました。

 

ところが、ある日、わたしが変わりました。

彼らと一緒にいることが、

将来マイナスになるのでは、と。

 

そして、話しかけられた時、

距離を置いてしまったのです。 

 

その一件で、以後、どんなに話しかけても

仲を修復できませんでした。

 

 「おまえも、結局みんなと同じなんだよな」

 

と、一人が言いました。

 

わたしが、揺らいだから、

繊細なこころを傷つけた。

 

自分を守ろうと、

他人を傷つけた。

 

これこそ、

父が聞いたら、悲しむでしょう。

 

友人の信頼、

これが、

自分を信じられずに失ったものです。