時を重ねて、
できごとが「想い出」になってゆく。
事実に想いが加わって、
物語のような作品として、
記憶されるのかもしれない。
生きていると、
こころの図書館に、
物語が増えてゆきます。
家に振り子時計がありました。文字盤にある穴に器具を差し込んで、毎日ネジを巻きます。毎時間ちょうどになると、やわらかいくぐもった音を鳴らし時を知らせてくれました。夜中でも鳴るので、今は近所迷惑になるでしょうか。当時は全く気になりませんでした。引っ越す時、そんな古いもの、と当然にのように処分されました。今はその柱時計を手元に置きたいとさえ思います。大切、と思えるまで、とても時間がかかりました。
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本日の一杯☕
時の経過を楽しむ
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親戚の家に行きました。
小学生のころのことです。
大人の話は退屈でしたが、
友達はいません。
一人で遊びにでました。
しばらく歩くと、
基礎工事が進んでいる、
これから家がたくさん建つのだろう、
という開けた土地が目に入りました。
斜面を切り拓いたのか、
だんだん畑のようです。
コンクリートで固められた、
迷路のようなその光景は、
なんだかワクワクしました。
休日で工事はお休みなのか、
人影はなく、
その中へ入って、夢中で遊びました。
(このだんだん、飛び降りられるかな?)
えいっ!
???
飛び降りられません。
コンクリートからでている、
棒のようなものに、
スカートが引っ掛かったのです。
宙吊り!!!
(ど、どうしよう)
おそらくとっても恥ずかしい姿で、
マグネットのように
壁に貼りついていたと思います。
幸いにも、
考えを巡らすこともなく、
スカートが破けて、
地面に落下しました。
(ほっ)
この後の記憶は全くありません。
スカートがどうして破けたのか、
大人たちから色々と
聞かれたかもしれません。
わたしのなかでは、
小さな冒険の物語として、
記憶されているようです。
今週のお題「かける」