なごみカフェ 

~豊かなこころで、シンプルな暮らし~

バレンタインデーの思い出

かつては、バレンタインデー向けの

チョコレートが店頭に並ぶと

こころが踊りました。

 

百貨店の特設会場をいくつも巡り、

大量に購入していました。

 

社会人になり、バレンタインデーは、

「あたりまえ」のイベントだったのです。

 

パッケージが素敵とか、

試食しておいしかったとか、

数の不足に注意して、

気になったらとりあえず買っておく。

 

わたしの在籍した部署では

「個別」に渡すことがルール。

女子社員一同、というのはNGでした。

個数が大切と先輩から教わりました。

 

時がたち、

義理チョコや友チョコなど、

チョコレートを贈る理由が

変わってゆきました。

 

会社をいくつか変わり、

いまでは

チョコレートを贈る習慣も、

なくなりました。

 

 

バレンタインデーの頃は、

特別なチョコレートを

たくさんみかけます。

 

見ているだけで、しあわせなので、

最近は、それでいいな、と思います。

 

友達の家に遊びに行ったら、友達がココアを作ってくれたよ。ココアと牛乳を小鍋に入れて火にかけるだけだから簡単だよ、って。知らなかった。甘くておいしい! しばらくして、思い出して、自分でも作ってみたよ。ココアのいい香り。「はい、おとうさん、どうぞ。」「……砂糖を入れたほうがいいね。」知らなかった。ココアって甘いものだと思っていたの。初めて作ったココアは牛乳の甘さではカバーしきれないほど、ほろ苦いを通り越して激苦いものでした。

 

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 本日の一杯

 こころにブックマーク

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10歳くらいだったでしょうか。

 

スーパーで、とあるチョコレートに

目が釘付けになりました。

 

ミルクチョコレートの上に

ストロベリーチョコレートが層になった

鍵の形のチョコレートと、

いくつかの

ハート形のチョコレート。

 

トレーにはめ込まれて

薄い箱に入っています。

 

 (あの子に、あげたいな)

 

さんざん迷い、

買うことにしました。

 

 

父子家庭だったので、

食事の用意をするため、

一人で買い物に行くことは

よくありました。

 

食費の管理を任されていて、

封筒の中のお金は一か月分。

余ったらおこずかいにして

よいことになっていました。

 

 (これを買っても大丈夫)

 

そう判断したのですね。

 

 

そして、

バレンタインデー当日まで、

そのチョコレートを眺めながら、

いつ渡そう、なんて言おう、

とずっと考えていました。

 

 

なのに、

 

 

結局、渡せませんでした。

 

チョコレートは、

わたしの胃袋におさまりました。

 

 

そのときの気持ちを、

今でも覚えています。

 

 

大人となんら変わらない、

迷い、切なさ。

 

 

やったことを後悔するより、

やらなかったことを後悔することが多い。

 

 

そうかもしれません。

 

 

わたしは、

あたって砕けるタイプなので、

恥ずかしい失敗がたくさんあります。

 

そういうものも、記憶が曖昧になったり、

チクリとも痛まない傷(?)に

なっています。

 

 

あのとき、

チョコレートを渡していたら、

思い出の引き出しに

しまうこともなく、

断捨離できたのかな、なんて、

 

バレンタインデーが

近づくたび思います。

 

 

この時期、

ビターチョコレートを

口にすると、

 

キュンとする

ほろ苦さが、

こころにも広がります。

 

このブックマーク、

あってもいいかな、

と、このごろは思います。

 

nagomi-cafe.hatenablog.com

 

 

今週のお題「ほろ苦い思い出」