わたしは、幼い頃に母を病気で亡くし
「おふくろの味」を知りません。
それでも、父は料理が上手だったので、
家族で食卓を囲んでいました。
両親がいるのが当たり前という時代、
「欠損家族(※現在は差別用語とみなされる場合があります)」
といわれていました。
憐れんで涙する方もおられましたが、
わたしは、とても幸せでした。
家族が一緒に暮らす住まい。
それは、シェルターのように安全で、
あたたかく守られた「国」だったから。
ひとりぼっち。そう思う方もおられるかもしれません。まわりに、こころを軽やかにしてくれるだれか、サポートしてくれるだれかが、きっといます。一息つけるあたたかい場所を、どうかみつけてくださいね。大人になっても、新しい「国」をみつけることはできるのですから。
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本日の一杯 ☕
境遇をうけいれる
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子どもにとって、家族から学んだことは、
「絶対に正しい」のだと思います。
調理実習のとき、りんごの扱い方で、
ちょっとしたバトルがありました。
ある子は、
「最初に皮をむいてから切り分ける!」
といい、
ある子は、
「最初に切り分けてから皮をむく!」
といいます。
どちらも、理由は同じです。
「だってウチのお母さんはそうだから!!」
迷いなく言い切れることが、すごいと思いました。
父の料理はおいしいけれど、
母の料理と同じなのだろうか、と思っていたからです。
わたしは、様々な家庭から様々な方法を、
見聞きしたり教わったりしたので、
自然と生活スタイルに多様性が備わったようです。